マルウェアなんでも雑談掲示板

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秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - Taka

2018/03/01 (Thu) 16:44:36

秋月製精密級電源↓をガチで精密に仕上げてみた。(2013年頃の話)
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-00202/

とりあえずは、本当に安いのでなんとか使えるかもと思って手に入れた。

問題点は、

(1)TR4の上下方向の向きが逆、図面のみ間違っているのかと思ったら、基盤でも本当にそうだった。
電位の低いところから高いところへ動作電流など流れるはずない。それと、本来はTR3とTR4の関係は、セットで差動増幅器(増幅素子が本質的に持っている非直線性の特性の解消、温度変化などに対しての補償効果など、また回路パターンとしてみると、真ん中で折り返すと左右対称で重なり合うような感じ)として動作するはずのもので、これではまずい。

(2)最終段の出力用パワートランジスタ(TR5、TR6)を動作範囲外でも無理矢理働かそうとしている。
その一つ前のトランジスター(TR2)も同様。

(3)出力電流検出用抵抗(R7、R8)がごく普通のセメント抵抗がついていた。(この部分は抵抗ならみないっしょとは行かない部分)

(4)上記リンク内の説明によると0Vから、出力電圧がとれると言うことになっているが、そのためには、普通は-4V~-10Vの負電源が必要。(当然の話ですが、電圧計で測って出てるという意味ではなくて電力としても安定して取り出せると言うことが重要です)

ネット上でも、上記(1)の件は気づいている人がいたが、(2)~(4)については言及する人がいなかったように記憶している。

上記(1)~(4)のことが、数ヶ月の間、自分を悩ますことになる。

※何しろ安いし、秋月さんが悪いとは決して言ってるわけではないです。よく店に行っていたときは狭い店舗内でいろいろなユニット類を所狭しと置いてあって、ものによってはよくできていると感心するものも多々あったし。その中からうまく流用できるものを見つけたときには、帰りの電車内(ある時期から高速バス)でうきうきしていたものです。電子部品についても、品数は多くはないですが、運良くあれば他店より安かったし。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - Taka

2018/03/01 (Thu) 19:49:30

念のため、その秋月製のユニットでどのように動作するのかを出力側に適当な負荷とオシロスコープを入れてテストしてみた。

案の定、3V程度の低い電圧では、出力はほとんど出てこなかったし、5V以上の電圧でせっかく出力が取り出せても、発信状態になったりしてとても安定化電源とはいえない状態であった。

そこで、できるだけそのユニットを生かしながら設計し直してみたのが、この回路。(電源トランス二次側出力から、メイン回路の安定化出力まで)
正確かつ精密に0Vからも動作できるように、-4Vの負電源を追加することにした。
また、TR5、TR6、TR2のトランジスターが、きちんと動作範囲内で動作するように、バイアス電流を流す為の抵抗をベース←→エミッター間に入れた。
もちろんTR4も正しい向きに置き直した。

ついでに、壊れやすい部分をセルフリセッタブルヒューズ(自己復帰型ヒューズ)を挿入して壊れにくい回路にしてみた。図面では、ポリスイッチと書かれている部分がそう。

上記の諸々の結果として、秋月製ユニットの回路パターンを何か所かカッターナイフで切断したり、リード線で修復したりなどする羽目になったが回路の安定動作のためには致し方のないところ。(トランジスタTR1のパターンに三端子レギュレータを組み込んだりなど、できるだけ原型を生かすようには最大限努力はしました)

※太い線の部分はMAX3.5Aのメイン電流が流れるところ、細い線の部分は制御用の小さい電流が流れるところ。
※その秋月製安定化電源ユニット基板は、そっくり制御回路化してしまって、メインの大電流を流せなくなりました。秋月さん、ゴメンナサイ。でもこうしないと精密に仕上げることできなかったです。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - 管理人です

2018/03/01 (Thu) 20:56:14

Takaさんならオーディオ用の真空管Amplifier自作も、お手の物でしょうね。素晴らしいなあ。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - Taka

2018/03/02 (Fri) 07:15:10

>>Takaさんならオーディオ用の真空管Amplifier自作も、お手の物でしょうね。
ところが、真空管回路は、作ったことも修理したこともないのです。ただし、時代的に真空管の最後付近で電子回路の勉強は真空管、実際に扱ったのはトランジスタ&ICで最初は戸惑いましたよ。

まだ、掲示したのは1/3程度で、つたない内容かも知れませんが、ご容赦ください。
こういう内容で検索をかけてくる人は、きっとここの本題の内容にも興味を持ちそうな方が多いと思っています。そういう人たちにもここのサイトを見ていただけたらと思っています。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - 管理人です

2018/03/02 (Fri) 16:09:04

Takaさんは、技術者として人生を送られてきたんですか?手に職というか技術のある人は素晴らしいですよ。管理人はDIYフェチでして(素人ですけど)。簡単な小屋程度までは自力で建設した経験あります。ログハウス風(もちろん本物のログハウスではありませんよ)。友人らが寝泊まりに使っています。煉瓦をつかった門柱を作ってみたりと。それからギターの修理ですね。エレキもアコースティックギターも修理します。以前は「にかわ」を使って修理していたんですが膠は取扱がすごく難しいんです。最近は「タイトボンド」というケミカル接着剤が登場したこともあり、タイトボンドで修理するようになってきましたけどねぇ。アコースティックギターは基本「ボンド」で接着されてますので蒸気を上手につかって「アイロン」でボディーに熱を与えボンドを「緩い」状態になるまで熱して、非常に薄いペーパーナイフ状の金属ヘラを使って剥がしてゆくんですよ。アコースティックギターの場合、修理方法は様々ありますが、表板が妊婦のように膨らんでしまった場合、アイロン熱で修正しても限界があるんですよね。その場合、思い切って表板をアイロンを使ってボディーから剥がし、新しいスプルース板、あるいはレッドシダー板の単板を使って板厚2.4ミリ程度まで薄く鉋がけをし、タイトボンドで接着してクランプで圧力を掛けると。まあ「下手の横好き」と言いまして管理人は、そんな「素人修理」を楽しんできました。鉋を掛けると杉の香りだとか「プーン」と工房に漂い、あれはなんとも言えない幸せを感じますねえ。

(写真、拝借しました http://www.sheepgang.com/other/morris/morris.html

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - Taka

2018/03/03 (Sat) 08:18:32

いや~、DIYの域を超えてる感じ。
その接着剤をはがす技術、頭の隅に置いとけば何かの時に役立ちそう。

当然、ギターは弾けますよね?。
ギターの弾ける人は、どうやって弾けるようになるんでしょうか?。
全くの独学か、それなりの先生について習ったとか。

私は中学の2年の頃に安いギターを手に入れて独学で練習してみたんですが結局身につかずじまいで。。。。。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - Taka

2018/03/03 (Sat) 13:48:52

次に、-4Vの負電源の制作ですが、こんな感じです。
この部分は、この安定化電源が精密級である為の重要な、まさに心臓部といえる部分だと思います。
AC100Vの入力からすぐに、たまたま遊休品として持っていたTDK製の小型スイッチング電源を流用して12V0.2A安定化出力を取り出し、それを更に三端子レギュレーターLM317LZで安定化して、-4.00Vの負電源としました。
この-4.00Vが、ふらつくと最悪6倍に増幅された形で、安定化電源の最終出力に反映されるので経年変化も含めて小数点二桁まで安定していることが重要だと思います。
また、初段にスイッチング電源を用いた理由は、内蔵のフォトカプラー(光結合)を利用して電気的な分断を入力側と出力側の間で行う意味もあります。これにより出力側の電位設定を自由に行えますから。(また、万が一の不具合時にも入力側からの影響を完全に遮断できますから)
ついでに、表面パネルにつける電源パイロットランプもここに付け足しておきました。

この部分は、安定化電源の商品として販売する場合には、それなりに手抜きして安く販売されることも多いんではないかと思っています。一般のユーザーにはわからないと思うし。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - Taka

2018/03/04 (Sun) 09:05:20

次に、これが0~3.5Aの間で、自由に定電流値を設定できるようにする為の回路です。
ただし、実際にテストしてみると、定電圧制御から定電流制御に切り替わったとき、商用周波数のリプルがほんの少しですが混ざっていました。私の場合は使用上問題ないと判断してそのままにしていますが、気にする方は、47μF、4.7μFの電解コンデンサを2~4倍の数値の間でテストしてみたらいかがでしょう。

※オペアンプLM358ANの遊んでいる回路側の±入力端子は、図面右端の通り短絡処置をしておく方が無難と思います。(そうしておかないと周辺の雑音をひらって勝手に不安定動作を発生し結果的に回路全体の安定動作を阻害する可能性があります)多分ですが、パソコン内に使われている回路でも、こういった類いの処置を見過ごして、忘れた頃に時たま発生する動作不具合を調べてみると、結果的にこういうことだったと言うことは意外にあり得るかと思われますが。(確かに明確に回路設計ミスとも言いがたいものだし、図面に反映されない場合もあるかも?)
ある意味、修理者を泣かせたり、ユーザーを困らせようとすれば、一番面白い方法かも・・・。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - Taka

2018/03/05 (Mon) 09:22:42

回路的には、最後になりますが、当方が特にこだわったところです。(部品の調達も簡単でわかりやすい方法)
このタイプの安定化方式は、現在主流のスイッチング方式と違い、雑音が少なくどんな回路実験にも利用しやすいなどのメリットはありますが、その反面出力端子に接続された負荷で消費されなかった電力は、すべて安定化電源内で熱となり消費されてしまいそのままでは電源効率も良くありません。特に低い電圧で大きな電流を取り出した場合には最悪となります。それを可能な限り抑制する為にこのような回路を付加してみました。
SSR(ソリッドステートリレー=半導体リレー)の出力接点は、メインユニット回路図のシリコンブリッジの入力側に1カ所あります。

取り出せる安定化出力は、

0~25V、0~3.5A の間で連続に設定可能 (ただし3.0A以上はレッドゾーン/30分以内定格)

と設定したので、出力電圧が25Vの半分の12.5Vを検出し12.5V以上の時はトランスのタップを28V側(高圧側)、12.5V以下の場合には17V(低圧側)に自動で切替えるようにしました。
実際にテストしてみたところ、切り替わりの付近で、0.2Vの動作幅(スレショールド電圧)があって、不安定に切り替わったりせずいい感じに切り替わっていました。

※後は、この秋月製安定化電源の件でネット上にはコンデンサを実際に爆発させたり、回路全体が発信してしまってうまくいっていないという投稿がちらほらとあるようですので、それらを材料にしてその原因と解消方法について投稿しようかなと思っています。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - Taka

2018/03/05 (Mon) 09:37:44

念のため、全体回路図を掲示しておきます。
各パーツは少しぼけていますが。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - Taka

2018/03/05 (Mon) 11:25:29

この方はやっちまってます。コンデンサの爆発。↓

https://blogs.yahoo.co.jp/toshi_k0706/folder/1228783.html?m=lc&p=1

しかも日本の大手のコンデンサメーカーで、通電開始後、たった5時間で爆発したそう。
再爆発を嫌って紙で巻いてしまったそうです。そいでもって、再爆発しても良いように、あちらメーカー製の粗悪品を使用しているそう。(こう言うのを負のスパイラルにはまっちまった、というんでしょうね)
これ下手すると火に油。あ、いや、火に可燃物になりかねませんね。(かえって危険ですよ!)

実は電解コンデンサの耐電圧は、通常よく表示されている商用ACの実効値ではないんですよ。
普通、商用交流電源の電圧はAC100Vと書かれていますが、これは実効値での表示。
(実効値で表示しておけば、数値変換せずに電力が計算できますから)

では、その爆発を起こしたコンデンサに書かれている耐圧50Vとはなんなのか?。
波打っている商用ACを整流平滑(全波整流として)すると、商用AC×√2 の(商用交流はsine波形なので)電圧までコンデンサの両端電圧が跳ね上がってきます。つまり、100V_ACを整流平滑すると、142Vまでそのコンデンサの両端電圧は跳ね上がります。

その爆発を起こした耐圧50Vのコンデンサで、トランスで50Vに落とした商用ACを整流平滑させるとその両端電圧は71Vまで跳ね上がりますがな。
つまり、その耐圧50Vの電解コンデンサを安全に使おうとすれば、50÷1.4142=35V のAC電圧が限界と言うことになります。更に安全率を2割程度見込めば、28V程度の交流電圧しかかけられませんがな。

たぶん、爆発被害に遭われた方は、その耐圧50Vと表示されているそのコンデンサに28V(もっとはっきり言うと35V)以上のトランス出力をかけていたんだと思われます。
まあ、コンデンサの気持ちになって言わしていただければ、もう耐えられません。

この方、今現在も原因不明でそのまま使ってるのかな。こわ~。

※たぶん、コンデンサの爆発原因は、秋月のせいではないと思う。やはり、あなたのせい・・・・。
※この方、定電流制御ができないことに大変不満を抱いていますね。実はそのままでは定電圧制御だって、十分にできていないことに気づかれていないみたいです。回路全体が発信したり不安定ですから。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - Taka

2018/03/06 (Tue) 09:24:36

https://as76.net/emv/s_hatuden.php
この方↑は、ソーラー発電→12Vのバッテリーの充電装置に流用されています。
さすがに、TR4の向きが逆なのは気づかれて修正されてます。
TR2、TR5 のベース→エミッタ間のバイアス用抵抗は追加されてませんが、そもそも、精密級安定化電源にしたいわけでもなし、トランジスターの動作範囲外で使用して若干発振などの出力不安定があったとしても、早い話が、出力電圧が平均的に12Vのバッテリーよりも少し高い電圧にしておけば充電なんて必ずできるものですから、なんら問題ありません。
また、常時バッテリー(鉛蓄電池なら0.001Ω~0.1Ωのきわめて低い内部抵抗)に接続した状態で使用していると思われ、またフローティング状態(充電完了後も自己放電分を補う程度に充電)にもなっていると思うので、発振する為の回路条件がうまく?そろわなかったこともあるかと思われます。

ただ、しかし、高精度の安定化電源IC(IC1=JRC723D)や、その周辺のトランジスター回路などをせっかく使っていたりすることを考えると、TR2、TR5から『も少し働きやすい環境にして』と悲鳴が聞こえてくるのは私の空耳でしょうか。(ただし、それ以外のことについては私も同感で、大変参考になる貴重なことが書かれています)

※この件に関しての投稿は以上です。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - 管理人です

2018/03/09 (Fri) 01:18:25

Takaさん、素晴らしいどころか「凄い」内容ですね。ビックラこいて管理人は、腰が抜けました。専門家(エンジニア)が読めば、その深みがよく分かる内容なんだろうなと思います。管理人はエレキギターの配線をハンダごてで処理する程度ですから(苦笑)。

Takaさん、好きなだけ思う存分、投稿されてください。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - Taka

2018/03/10 (Sat) 10:01:33

アハハ。
どうかお体だけは壊さないでくださいませ。(あちらこちらへ出張など忙しい身でしょうから)

ところでその安定化電源回路を作ろうと思ったきっかけは、元々、ほぼ同じ仕様の安定化電源を所有していて、それが、40年ほど前に秋葉原の確か『学生の店丸善(その後、丸善無線orマルゼン無線電機といってた)』で手に入れたものが、永年の使用でまともに動作しなくなっていたし、内部配線類も焼けたような感じでかなり劣化していたので、ケース、表面パネル類、トランス、トランジスターのヒートシンカーをそのまま使用し、制御回路ユニットと内部配線のみをそっくり新調できないかと考えたのがきっかけです。
その際に、昔流のトランジスタ主体の回路構成から部品が入手しやすく高精度の今時のICを主体にした回路構成を考えれば、比較的簡単にかなりの精密級電源に仕上げることができると思った次第です。

完成後の、前面パネルの写真です。ほぼ40年前と同じです。強いて言えば電源パイロットランプが赤色ネオン球から緑色LEDに替わったぐらい。それと、電源スイッチはほぼ壊れた状態(ONになりっぱなし)でしたが、そのスイッチ本体の爪を起こして分解しシリコングリースをつけて組み付け後再使用しています。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - Taka

2018/03/10 (Sat) 10:32:04

できあがりの仕様をまとめておきます。

(1)電圧 0V~25V(微調整の±1.2Vを含む)
(2)電流 0A~3.5A(ただし、3.0A以上はレットゾーンで連続使用30分以内)

ただし、上記仕様内であっても、本装置を保護する為、自動的に温度保護装置が作動して、一時的に使用できなくなる場合があります。
その場合は、1時間以上涼しい場所にて自然冷却させ、使用している周辺環境を見直して再使用することができます。

見ての通り、この安定化電源は、パワートランジスターのヒートシンカーやその他の熱発生源をすべてケース内に内蔵しています。にもかかわらず、(ヒートシンカー周りに通気用のスリットは一応ついてますが)ファンなどの強制空冷もせず、自然冷却のみに頼っています。そのために、メイン回路に設置しているポリスイッチは、繰り返しテストの結果も考慮して少し大きめの5Aのものを使用しています。
もし、ヒートシンカーをケースの外に出したりファンなどの強制空冷をされる場合には、4A前後のものを検討される方がよろしいかと思います。

今現在は、確かにこんな古いタイプ(シリーズ形式)は、はやりではないかもです。確かに重たいし大きいし。
スイッチング電源ならかなり軽いしコンパクトです。
ただし、スイッチング電源はその方式から必然的にスパイク状の雑音が多く発生してテストしたい負荷装置によってはほとんど使い物にならないことが起こりえます。その点この形式は、接続する相手を選びませんから、どんなテストをする場合にも大変重宝してます。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - Taka

2018/03/12 (Mon) 16:01:11

安定化電源の右側の内部写真です。緑色のユニットが『秋月製 実験室用精密級 定電圧安定化電源キット Ver3』の部分です。(少し見えづらいですが)

まだ、言葉足らずな部分があったと思いますので、まとめておきます。

(1)回路図面で、W数の表示されていない固定抵抗は、すべて1/4Wです。
(2)抵抗の種別が表示されていないものは、すべて誤差1%の金属皮膜抵抗です。
(3)R7の電流検知抵抗は、添付されていたセメント抵抗をそのまま使用してテストしたところ、安定化電源起動直後のR7の温度が低いときは、出力電流を3.5Aに設定していても、R7の温度が上昇するにつれて3A近くまで電流が下がってきていました。これではとても精密とはいえないので、図面のように温度による影響を受けにくい誤差1%の巻線抵抗に変更しました。結果として、温度による変動はほとんど無くなりました。
(4)出力トランジスターTR5/TR6のエミッター側についている抵抗(R9/R10)も、念のため、誤差1%の無誘導巻線抵抗に変更しています。この抵抗は並列に接続した2個のトランジスターに流れる電流のバランス(無いと熱暴走を起こす可能性あり)をとる為であり、パワートランジスタを1個しか使わない場合には必要ありません。
(5)組み付け後の調整に使用する半固定抵抗はすべて、ウォームギア入りの多回転精密抵抗を使用しています。
(6)安定化ICのJRC723DのところについているC4は、この回路の発信を防止する為のものです。ただし、当方の条件では無くても発信の兆候は見られませんでしたが、念のため150P程度は入れておいた方がよろしいかと。回路条件によって替わると思われますのでテストしてみてください。
(7)出力のリプルを見かけ上減らす方法として、出力端子に数百Ω~数KΩの抵抗を入れる方法もありますが、別に売り物にするわけでもなく、かえって応用が利かなくなると思って入れていません。必要だと思われる方は入れてください。ただし、定電流制御の精度は悪くなります。
一応、入れなくても支障の無い程度には仕上がっていると思います。
(8)一応、仕様としては最低電圧は0V、最低電流は0Aと言っておりますが、厳密には、そうではありません。
実際には最低電圧は+5mV前後、最低電流は+10mA前後に設定(発光ダイオードのテストに便利)しています。
最低電圧はメインユニット(秋月製ユニット)内の半固定抵抗VR2にて調整、最低電流は定電流制御回路内の固定抵抗3.6Ω(1/4W)で調整しています。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - Taka

2018/03/12 (Mon) 16:06:45

安定化電源の左側の内部写真です。
青色のケースがTDK製のスイッチング電源です。
そのすぐ上の茶色のユニットが、この安定化電源を精密に仕上げる為に追加した制御回路がすべて入っている部分です。
そのすぐ左に電源トランスがあります。
更に、その左にパワートランジスター用のヒートシンカー(黒い部分)が見えます。
そのヒートシンカーの左端すぐ上にラグ端子を使用して接続しているのが巻線抵抗群です。(少し見えにくいです)


この安定化電源回路に改修して、当方としても安心して使えるようになりました。

旧回路は、安物とはいえ、散々な目に遭いました。
(1)購入時に、万が一に壊れたら自分で修理しようと思い、正確な回路図面をもらって帰りました。ところが壊れてみると、回路図面と結構違っていたんです。仕方なく実際の回路基板を見ながら何日もかけて回路を図面に起こして修理した次第です。
(2)当時は知識も乏しく、μA741 のメタルキャンタイプのオペアンプを何回か交換したり、パワートランジスターは2回ぐらい交換したり、電源整流用シリコンダイオードが自己発熱の為に半田が溶けてしまい脱落していたり、それとも関係があるのか、電解コンデンサが結構大きな音を出して爆発したりなど散々な目に遭ったのですが、原因がよくわからなかったりして、とりあえず部品を交換して修理するのが精一杯でした。
今思えば、すべての原因は安かったから・・・・なんです。それでも3~4万はしていたような?記憶があります。(今思えばヒューズはちゃんと機能していたんでしょうか?。記憶が定かでは無いんですが。念のため申し上げておきますが、新調した回路ではヒューズの作動テストもしっかりやっておきましたから、ご安心を!)
(3)前面パネル調整用のボリュームが、旧回路ではオープンタイプのものだったので古くなるにつれて内部にゴミが入って調整がうまく効かないことがあったので、新調するに当たって、すべて完全密封式のものに変更しておきました。
(4)その他に旧回路では電源トランスの自動タップの切り替え装置もなくて、相当発熱もしていました。
ただし、もらった回路図面には、普通のマグネット?リレーでタップを切替えるようになっていました。つまり安くする為に省いたんでしょうね。ただ、幸いなことに、低圧切替え用の電源トランスの出力(17Vタップ)は出ていました。今回このタップを利用したわけです。
今回自動タップ切り替えをつけたことによる具体的な効果ですが、旧安定化電源も、この新安定化電源も出力容量は全く同じです。ところがACの入力容量は下記の通りがらっと変わりました。

旧安定化電源の時は、3A~4Aのヒューズを入れておかないと、頻繁に切れた。
新安定化電源では、1.5A~2Aのヒューズでも全く切れません。(今現在は1.5Aで使用中)
※つまりこの点だけを取り上げてみても、より安全に使用できるようになり、また電源利用効率が格段によくなって省エネになっているということでしょう。

Re: 秋月製精密級電源をガチで精密に仕上げてみた。 - Taka

2018/03/12 (Mon) 16:23:54

これが上部から内部を見た写真です。

この電源いろいろな回路試験に大変重宝してます。
パソコンのテストに使ったこともありますし、小型の電装品や電装部品のテストにも大概間に合います。
また、毎年暮れになると、車のバッテリーを下ろしてきて、0.5A程度の超低速充電をして冬場をしのいだりしてます。(0.5A/16V前後に設定しておけば勝手にやってくれる)

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